■こんなソフトに弱い■
その1
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■アルフレッド・ヒッチコック
ジャケット |
データ |
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DL-65016

北北西に進路を取れ |
●音楽:バーナード・ハーマン●キャスト:ケイリー・グラント/エバ・マリー・セイント/ジェームス・メイスン●本編136min/映像特典46min |
これほど多くの映画監督に影響を与えた人もいないでしょう。トリュフォー、スピルバーグ、デ・パルマなど、名前を挙げるときりがありません。もともとイギリス人なのですが、アメリカに渡って世界中で有名になりました。サスペンスの手法を確立します。ミステリーと混同される向きもありますが、この2つは全く違います。ミステリーは「謎解きに終始する、一種の知的パズル」で、サスペンスは「観客に情報を可能な限り与え、主人公(または目的)の立場に同化させる」ことです。
簡単な例をあげると、ある男が食事をするとします。食べ終わると死んでしまいます。観客は驚き、ここではじめて食事に毒が入っていたことを知るわけですが、食事中のシーンは平凡なシーンだったわけです。それでは、観客が最初から食事に毒が入っていることを知っていたとしたらどうでしょう?食事のシーン当初から、画面に引き寄せられたに違いありません。それも十分な魅力のある人物がその男だったとしたら…。これがサスペンスです。
それ以外にもヒッチコックは、さまざまなテクニックも発明しています。この辺りのことは作品解説も含めて「ヒッチコック映画術(フランソワ・トリュフォー著)」に詳しいので、より深く知りたい方はお読みいただくと良いでしょう。
北北西は、アメリカ時代の総括的作品であると同時に、最も豪華な作りだと思います。1959年作品。「逃走迷路(’42)」という自作品のリメイクにあたります。ヒッチコック作品は「不思議と古くならない映画」と思っていましたが、さすがにDVDになった今見返すと、時代を感じてしまいました。しかし完成度は文句無しに高いです。
めまいは1958年作品。「実際に自分が主人公の立場だったとしたら、怖くてたまらない」と思った映画です。精神的に怖いのです。この作品も完成度が高いのですが、今の映画に慣れた方には、ラストが納得いかないかもしれません。テリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」にも劇中劇として登場します。
ヒッチコック作品は、高校から大学にかけてよく見ましたね。特に「引き裂かれたカーテン」「海外特派員」「知りすぎていた男」「レベッカ」「裏窓」「汚名」は好きな作品です。こうして僕はサスペンス映画の虜になっていくのです。01/08/23 |
SUD-31165

めまい |
●音楽:バーナード・ハーマン●キャスト:ジェームス・スチュアート/キム・ノヴァク/バーバラ・ベル・ゲデス/トム・ヘルモア/ヘンリー・ジョーンズ●142min |
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■ジャッカルの日
ジャケット |
データ |
コメント |
PIBF-1030
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●監督:フレッド・ジンネマン●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●キャスト:エドワード・フォックス/アラン・バデル/トニー・ブリトン/シリル・キューザック/ミシェル・ロンステール/エリック・ポーター/デルフィーヌ・セーリグ●142min |
映像に力があるかどうかを端的に調べる方法は、音を消してみると良いでしょう。無声映画を経験した監督は、その辺りが実に巧くて、画面だけで引き込む演出をします。
F・フォーサイスの原作は未読なのですが、この映画は主人公である暗殺者「ジャッカル」とそれを追う「ルベール警視」率いる特捜隊を同時に描くことにより、サスペンスとして一級の作品になっています。また、ジャッカルを演じる「エドワード・フォックス」がかっこいいのです。独白も無くあくまでクールに、綿密に狙撃の準備を進める姿は、「プロ」として世界の舞台裏で活躍してきたことを感じさせます。しかし、その綿密な計画も特捜隊の手で切り崩されていく…。
はじめて見たのは高校生の時でした。あまりに世界が緻密に描かれていたので、当時は実在の事件を元にした映画だと思い込んでいました。これが「社会派」といわれる所以でしょうか?映像の力も相当なものです。音を消して見ても十分に内容が判りますし、無駄な動き(カメラ、演出)が全く無いのです。何度見ても「巧いなぁ」と思ってしまいます。この実に見事な構成は、アンリ・ベルヌイユの「華麗なる大泥棒(’71/仏)」でも見ることができます。で、ジンネマンの他の映画はどうだろう?と俄然興味が出てビデオで2作品ほど見たのですが、こんな感じではありませんでしたね。この作品は「奇跡」だったのでしょうか?(笑)
紹介したジャケットはDVDですが、違和感を感じました。前に見たときよりも圧迫感があるのです。慌ててLDを見返してみて判りました。ユニバーサル映画は、ビデオになることを見越して4:3で撮影しています。LDはそのまま収録されています。ところがDVDは、ビスタサイズと称して画面の上下を切って収録してあったのです。実にもったいないです。ワイドTVが増えているとはいえ、オリジナルより小さくしてしまうのは、「ワイド」ではなくて「ナロー」なのではないですか?01/08/23 |
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■恐怖の報酬
ジャケット |
データ |
コメント |
CPVD-1084
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●監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー●キャスト:イヴ・モンタン/シャルル・ヴァネル/ピーター・フォン・アイク/フォルコ・ルッリ●148min |
1952年のフランス映画でモノクロ作品。サスペンス映画です。2枚目俳優イヴ・モンタンが汚れ役を演じている作品なのですが、何といってもそれより興味深いのは、主人公の名前が「マリオ」と「ルイージ」だという点でしょう。そうです。あの任天堂の有名キャラクターと同じ名前なのです。姿はというと、映画のマリオは痩せてヒョロっとしています。ルイージは太っていてひげを生やし、ベレー帽とオーバーオールを着用しています。名前が逆なのを除けば、驚くほど似ていませんか?僕は以前、「ファミ通(当時ファミコン通信)」で「キャラクターの由来は?」という特集があったとき、任天堂のコメント「全くのオリジナルです。当社で考えました。」を見て、絶対に怪しいと思いました。(笑)この作品以前から考えていたとは思えません。花札も売ってなかったのでは?(爆)
恐怖の報酬、作品としてもお勧めです。01/08/23 |
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